昨今バリアフリー施設が多くなり、そのような設備を自宅にも取り入れたいという方が多くなってきています。
玄関スロープの設置を迷っている人の中には、
- 車椅子の家族がいる
- ベビーカーでの移動を楽にしたい
- 最近足がもつれる…
- 玄関周りを少しエレガントにしたい
このような悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、
- 玄関にスロープを設置するメリットやデメリット
- 玄関にスロープを設置する場合に気をつけたいこと
- 玄関スロープを設置する場合の費用目安
などを解説しています!
玄関スロープの設置を迷っている方は、是非最後まで読んでくださいね。
玄関にスロープを設置するメリット
玄関のスロープにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
玄関にスロープを設置するメリットを3つご紹介します!
ベビーカーや車椅子での移動がしやすくなる
玄関にスロープを設置すると、車椅子での移動がしやすくなります。少しでも段差があると、自力での車椅子移動は難しく、誰かの介助が必ず必要になります。しかし、スロープがあれば、段差を解消することができるため、自力で車椅子走行をすることができます。
スロープを設置すれば、ベビーカーでの移動もしやすくなります。子供を抱っこして、ベビーカーを折りたたんで、さらに家までベビーカーを担いでいくのは重労働です。スロープがあれば、家の中までストレスフリーでベビーカーを持ち込むことができます。
転倒するリスクを減らすことができる
玄関にスロープを設置すると、転倒するリスクを減らすことができます。
とくに高齢の家族がいる場合、できるだけ段差は減らしておきたいですよね。身体機能の衰えが急に加速し、昨日まで越えられていた段差がのぼれなくなるなんてことも…。
特に玄関ポーチは、コンクリートで出来ている場合が多いため、一度転倒すると怪我に直結します。転倒して怪我をしてしまうリスクを考えて、玄関にスロープを設置するのもバリアフリーの手段の一つです。
玄関まわりがおしゃれになる
玄関にスロープを設置すると、玄関周りがおしゃれになります。コンクリートで出来たシンプルな玄関アプローチと比べると、同じ敷地でもスロープを設置するだけで奥行きが生まれ、高級感を演出することができます。
玄関にスロープを設置するデメリット
玄関にスロープを設置することには、メリットがたくさんあることが分かりました。
ここでは玄関スロープの唯一のデメリットでもある「敷地の問題」をご紹介します。
適切な勾配をつくるためにそれなりに広いスペースが必要
玄関にスロープを設置するデメリットは、広い敷地を要することです。狭い敷地だと、急な勾配のスロープになってしまうため、スロープを設置するには、それなりに広いスペースが必要になります。
玄関にスロープを設置する際に気をつけたいこと
玄関にスロープを設置するときに、なにか気をつけることはあるのでしょうか?
ここでは、玄関にスロープを設置する際に気をつけたいことを6つご紹介します。
できるだけ緩やかな勾配にする
玄関にスロープを設置する際には、勾配を意識しましょう。勾配はできるだけ緩いほうが、良いと言われています。望ましい勾配は1/15です。
建築基準法では「勾配は1/8を超えないこと」と定められていますが、1/8の勾配だと、坂が急なため、車椅子の人が自力で走行することはできません。「1/8の勾配は、法律違反にならないためのライン」として覚えておくようにしましょう。
(階段に代わる傾斜路)
第二十六条 階段に代わる傾斜路は、次の各号に定めるところによらなければならない。
一 勾配は、八分の一をこえないこと。
二 表面は、粗面とし、又はすべりにくい材料で仕上げること。
引用:e-gov 建築基準法施工例
スロープの勾配を考える際は、バリアフリー法の建築物移動等円滑化基準及び建築物移動等円滑化誘導基準を参考にしましょう。
手すり | スロープ幅 | 勾配 | |
建築物移動等円滑化基準 | 片側 | 120cm以上 | 1/12以下 |
建築物移動等円滑化誘導基準 | 両側 | 150cm以上 | 1/12以下(屋外は1/15以下) |
- 建築物移動等円滑化基準:最低限のレベル
- 建築物移動等円滑化誘導基準:望ましいレベル
(出典:国土交通省 バリアフリー法)
車椅子の家族がいる場合は、できるだけ建築物移動等円滑化誘導基準に近づけるようにしたほうが良いでしょう。1/12の勾配では、スロープを自力で車椅子走行するのは難しく、介助者もかなりの体力が必要です。1/15の勾配であれば、自力で車椅子走行することができるため、介助者の負担を減らすことができます。
安全のために手すりを設置する
玄関にスロープを設置する際は、安全のために手すりの設置も検討しましょう。
バリアフリー法の建築物移動等円滑化誘導基準では「手すりは両側に設置が望ましい」とされています。
- 歩行の補助
- 転倒、転落の防止
- 夜間時の誘導補助
など、メリットもたくさんあるため、スロープを設置する際は手すりも一緒に設置しましょう。
床は滑りにくい素材にする
玄関にスロープを設置する際は、滑りにくい素材を使用するようにしましょう。
床に滑りやすい素材を使ってしまうと、転倒して怪我をしてしまう恐れがあります。車椅子を利用している本人も、介助者もどちらも危険なため、床の素材は必ず滑りにくい素材を使用しましょう。
よく使われる素材に
- タイル
- コンクリート
- 石
- レンガ
などがあります。
車椅子も通れるように充分な幅を確保する
玄関にスロープを設置する際は、車椅子も通れるように十分な幅を確保しましょう。
最低90cm、余裕があれば120〜150cmは確保したいですね。
- 120cm:車椅子と人がすれ違える幅
- 150cm:車椅子同士がすれ違える幅
また、スロープが長くなりそうな場合は、途中で踊り場を設けるようにしましょう。
脱輪防止のための立ち上げやフットライトの設置も検討する
玄関にスロープを設置する際は、脱輪防止のための立ち上げや、フットライトの設置も検討しましょう。自力で車椅子走行する場合も、介助者が車椅子をおす場合も、少しハンドル操作を間違えると脱輪してしまう恐れがあります。車椅子は重量があるため、一度脱輪してしまうと、救出するのは至難の業です。脱輪しないように、両端に立ち上げを設けたり、夜間、足元が見やすいようにフットライトを設置するなど、脱輪対策をするようにしましょう。
屋根があると雨の日も安心
玄関にスロープを設置する際は、雨の日に濡れないよう、屋根の設置も検討しましょう。
雨の日に、スロープを登るのは大変ですよね。自力で車椅子走行する場合は、タイヤをまわすために両手を使用しているため、傘をさすことができません。介助者が車椅子をおしてスロープの上り下りをする場合も、サッと傘をさすことは難しいでしょう。雨が降るということが予めわかっていれば、合羽を着るなどの対策をとることができますが、急に雨が降ってきた場合は対応に困ってしまいますよね。スロープの上に屋根があれば、雨の日や梅雨時期でも、雨に濡れることを心配せずに上り下りをすることができます。
玄関スロープは大きく分けると2種類ある
バリアフリーの玄関スロープは、大きく分けると2種類あります。
- 階段付きスロープ
- 手すり付きスロープ
階段付きスロープ
既存の階段に沿って、スロープを設置する場合は、階段付きスロープに分類されます。介助者は、階段を使うことができるため、上り下りがしやすいのが特徴です。玄関ポーチ階段の高低差が小さい場合や、まだ歩けるけれど介助が必要な家族がいる場合に導入されることが多いスロープです。既存の階段を生かして施工することで、工事費を抑えられるというメリットもあります。
手すり付きスロープ
介護目的でスロープを設置するというと、ほとんどの方が、手すり付きスロープを設置します。手すりをつけることで、転倒する可能性を軽減することができるため、安全のためにもスロープと手すりは一緒に施工したほうがいいでしょう。
玄関スロープに使われる床材の種類
玄関スロープに使われる床材には、どのような種類のものがあるのでしょうか?
よく使用される人気の材料を4つご紹介します。
タイル
タイルの表面にデコボコをつけて、水はけに考慮し、滑りにくく加工されたスロープタイルを使用することで、より滑りにくくなります。
※素材によっては滑りやすいものもあるので注意しましょう。
コンクリート
最も選ばれることの多いのがコンクリートです。最後の仕上げを刷毛引きにすることで、より滑りにくすることができます。
石
石は、洗い出しなどの加工をすることで、より滑りにくくなります。
レンガ
レンガは、種類が豊富なため、デザインにこだわりたい人におすすめです。全体に使用するのではなく、部分的によく使われる素材のひとつです。
※素材によっては滑りやすいものもあるので注意しましょう。
玄関にスロープを設置する費用目安
玄関にスロープを設置するのにはいくらぐらいかかるのでしょうか?
費用の目安としては、20万円前後〜60万円前後といわれています。
どのようにスロープを設置するのか、材料や敷地面積によっても金額は変動します。
40万円〜50万円で、スロープ+手すりの外構工事をするケースが多くみられます。
家族に要介護者がいる場合の玄関スロープリフォームには補助制度が使える場合がある
家族に要介護認定を受けた人がいる場合は、玄関のスロープ設置に補助制度を使用することができます。
バリアフリーリフォーム時に介護保険の補助金を受けることができる
家族に要介護認定を受けた40歳以上の人がいる場合は、バリアフリーのリフォーム時に介護保険の補助金を受けることができます。
- 40歳以上で、要介護認定または要支援認定のいずれかに認定されていること
- 利用者が居住していること
- 対象工事場所が被保険者の居住する住所と同じであること
などの条件を満たしているようであれば、介護保険の補助金を受けることができる可能性が高いため、リフォーム工事をする前に一度ケアマネジャーなどに相談をしてみましょう。
介護保険の補助金:工事費20万円の1割(上限18万円)
自治体によっては住宅改修補助制度がある
自治体によっては、独自の住宅改修補助制度があります。補助金だったり、融資制度だったり、補助制度の形式は自治体によって違いがあるため、一度自分の居住する地域の補助制度を調べてみましょう。
まとめ:玄関スロープを設置して住みやすい家にしよう!
玄関スロープにはメリットがたくさんあることがわかりました。
玄関スロープを設置して、家族みんなが住みやすい家にしましょう。
富山県でエクステリア工事を検討中の方はぜひ「ステージ」にご相談ください!